NHKドラマ フェイクニュースを見た
NHKがとても宣伝に力を入れている全2回のドラマ「フェイクニュース」．
早速見たので紹介していきたい．
あらすじ
車輪の再発明をする必要はないので，まだドラマを見ていない人はここからあらすじを読みましょう：
レビュー
・ライトな社会系ドラマ
内容はどちらかというと，硬派なテクノロジー系や社会系のものではなく，エンタメ系であった．相棒やコナンでも仮に殺人が絡むとなると，こんな話が時期にできそうかな？くらいのものであった．
テクノロジーがもたらすかもしれないディストピアを描いたブラックミラーや，人間がアルゴリズムによって管理される社会を描いた「サイコパス」などよりも，「ああ，こういうことってありそうだよね」という感じの現実に近い舞台設定で「フェイクニュース」のストーリーは進んでいく．
またちょっとジャンルは違うが，テクノロジー系でもっと胸キュンする映画が見たい場合は，Herとか見ていた方がいい気がする．
・現在社会の病理を描いている
「フェイクニュース」はもちろんのこと，実際に今の世間で問題になっている，「承認欲求のためのバカッター」や「ヘイトスピーチ」「（MADのような）Youtubeやニコニコにあがる動画」「悪意のあるまとめサイト」「Google Analytics」「PVを稼いで広告収入を得る」「外国人労働者」などが各所に散りばめられていた．そういうことに関心がある方にはオススメです．
・物語としては面白いが...
物語としては面白いし，現代社会の病理をよく描いていると思うが，そこから先の考えさせる部分は，僕は少なくとも前編からは気がつくことができなかった．「何が正義で何が悪いのか」，のような安直な議論を僕はするつもりはないが，このドラマはそれをすべきであろう．2回構成のため，前編からだと「登場していない第三者」がヒール役となっていて，いまいち煮え切らない．構成上仕方がないのかもしれないが．
・後編に期待
前編はどちらかというと導入の部分，起承転結でいうと起承くらいの感じなので，後半にストーリーがどう動き，NHKがこの問題に対してどういう意見を持っていて，それをこのドラマでどういう風に提示してくるのか，がとても楽しみだ．純粋に物語としても面白いので後編も見ることになるだろう．あと，北川景子がとても綺麗でした．はい．
ちなみに...
フェイクニュースはアカデミアでは最近頻繁に研究されている分野の1つです．主にジャーナリズムやデジタル人文学，社会科学の領域での研究蓄積が目立ちますね．例えばこんな論文があります．以下の論文は日本語訳が出されていたのですが，リンク切れで今はアクセスできないようです．
