いわしはだいだい昼寝をしている

まとまりもとりとめもない脳内爆発日記

メンタルマップ

メンタルマップについて

確か僕が覚えてる範囲では、メンタルマップに関する文献で1番引用されているのは、ケビンリンチの都市のイメージという本です。

長くまた、古い本なのでWikiまとめサイトなどを使って読んでみることをお勧めします。

メンタルマップ - Wikipedia

artscape.jp

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簡単に説明しますと、メンタルマップは生きられた地図ということができます。例えば、僕らがワークショップの場で、世界地図を描いてください、と言われた時には世界のほとんどの国より日本をうまく書くことができるはずです。何故なら、慣れ親しんでいるし、詳しいからです。

同様に、例えば大熊町の地図を描いてくださいと言われた時に、町民の方々のそれは我々のそれよりもより鮮明に、かつ詳細に描かれているはずです。

加えて、それらは実際の地図(Googleマップや土地利用調整図)とは異なり、各々の都市の使い方によって、かなり主観的なものになっているはずです。

これらをアンケートとして実施しある程度の数を集めると、大熊町で暮らしていた人たちの街のあり方が見えてきます。というのも主観的な街の暮らし方がメンタルマップに反映されているからです。

ケビンリンチの都市のイメージでは、それの具体的な集計方法までまとめられている(パスやランドマークの取り扱い方)ので、もしメンタルマップをこのプログラムでやる場合は少なくとも何人かは本を読む必要があります。

英語ですが例を書くと、Understanding Ordinary Landscapes ​というPaul Groth & Todd Bressiが書いた論文がメンタルマップに詳しく、名著とされています。

この中では、1970年代のロサンゼルスのメンタルマップを、白人、黒人、ヒスパニックの人種別に集計したものを論文の中で発表しています。

画像を見ると一目瞭然ですが、人種ごとに都市の使い方が全く違います。

白人は都市の大部分やアメニティを享受していますが、ヒスパニックに至っては、極めて狭い範囲内で都市生活をしていることがわかります。

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また次に、添付します画像は僕が大学2年の時に書いていた論文(五年前)なのでとても質が悪いですが、京都市に住む方々にそれぞれの思い描く京都の範囲を描いてもらい、それを総合したものを描写したものです。行政上の京都市の区分はとても広いですが、京都市上京区に代々住む被験者の方々にとっては、鴨川や堀川通り、北大路通りが領域のフロンティアだということがわかりました。つまり、僕らが認識している京都は彼らにとっての京都ではないということです。この辺は京都ぎらいという本に詳しいはずです。

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