僕らが毎日やっている最強の読み方: レビュー
当たり前のことをそれっぽく言っている&睡眠時間を削るからできるライフハック集
ビジネス書にしては珍しく,目次から内容を判断できない本.目次にはヒントが書いてあるので,ある程度は読まずに理解できるが,核心部分は書いていないので,内容を読みこまなくてはいけない.読むのに結構時間がかかるのが難点.
と,書きましたが最後まで読んでみたら一番後ろに「特別付録」(特にp.320-324)がありました.忙しい人はそこだけ読めばいいと思います.忙しくない人は,まずはじめにそこを読んで気になったところだけ本文に戻れば一通り理解できると感じています.これこそが本文内で著者たちが言っている「最強の読み方」ではないでしょうか.また各見開きのページの下にそのページのまとめが書いてあるので,そこを読めば内容を理解できる気がします.
この本に登場するお二方の睡眠時間ははっきり言って異常(3〜5時間)なので,読書術もといライフハック的な意味で生活の仕方を真似するのは参考にならないと思います.
第3章の「僕らのネットの使い方」はどこにでも書いてあるような内容なので,時間に余裕がない場合は読まなくていいように感じます.と,いうのも「ネットはアルゴリズムによって自分に親和性の高いものが検索結果などとしてで出やすい」,や「信憑性が怪しい」などしか書いていないからです.また雑誌の紹介のところでは,あの雑誌はああだこうだという話が非常に多い.表にしたり箇条書きにした方が認知コストが少なくなるのに残念だ.
以下は脳に引っかかったことの箇条書きです.
- 池上彰は毎日10紙以上読む
- 読むというより目を通している
- 世の中で起きていることを理解するのは参考書と書籍
- 世の中で起きていることを知るのは新聞
- 全体を通して「バイアスに気をつけろ」という話が多い
- 新聞は毎日最低2紙斜め読みしよう
- 一紙はリベラル,もう一紙は保守系の新聞にすると良いそう
- 新聞は飛ばし読みが基本で見出しを読んで読むか読まないか迷ったら読まない
- 「週刊総合誌は読書人階級の娯楽」らしい
- 週刊誌や月刊誌の博覧会みたいになっている
- 雑誌は読みたい記事が2〜3本あれば買う
- 情報が玉石混淆&プリズム効果があるから(有名なひろゆきも言っていましたね)ネットでの情報集めは非常に効率が悪いらしい
- 古典の紹介があるが,ハイデガーの「存在と時間」やヘーゲルの「精神現象学」がおすすめされていて,普通の一般市民はとてもじゃないけど読めないと思う.この2人だから読めるのではなかろうか.
- どんなに忙しくてもインプットの時間は毎日4時間
- 人から情報や知識を得ようと思ったら.「誰と付き合うか」だけではなく「どう付き合うか」も大切
- 食事を共にする行為は信頼度を深める重要な時間
- 「終わりに」が全然本に関係ないし無関係に難しい学術用語を使いすぎで何が言いたいのか理解しにくい
率直に言って,書いてあることを全て実践するのは不可能だと思った.なぜなら僕らは職業作家でもなければ大学教員ではなく可処分時間が少ないからだ.こんなこと言うと言い訳しないで先ずはやってみろと怒られそうであるが,できる部分,できる範囲で参考にすべきだと強く感じた.