図太くなれる思考法 レビュー
この著者の本を何冊か読んだことがありますが,内容がほとんど一緒です.他の本を読まれた方はこの本を読む必要がないと思います.またタイトルが「思考法」とあるように読者に「ノウハウを教えてくれるのかな?」と期待させますが,ノウハウ系は抽象論を超えません.つまり筆者は「怒りたくなっても怒るな」や「自分の人生を生きろ」,「他人を気にするな」などと言いますが,「では具体的にどうすればそういう思考法になるの?」という問いには残念ながら答えてくれません.
また,文章の構成として,多くの例をあげていますが,それが名言だったり史実だったり雑学としては面白いのですが科学的ではありません.そして説明に苦しむと必ず禅語が出てきます.僕ら一般人が漢字で書かれた難しそうな「禅語」をみると「なるほどな』などと思ってしまいますが,言っていることは極めて普通なことです.
主に言っていること
・怒ってはだめ
腹が立ったら10秒待つと良いそうです.それでもダメなら100秒,それでもダメなら1000秒だそうです.
・反省はせずに,どこに問題があったか検証しろ
PDCAみたいな話ですね.
・人のことを気にするな
自分がどう感じたかが問題なので,ポジティブになろうということだと思います.
・相手の言動にカチンと来たら
「ありがとさん」と3度心の中で唱えるそうです.
・他人とは比較しない
禅は「比べる」ことを最も嫌うそうです.
・結果にこだわるを辞める
そうすると図太くなれるそうです.
・わからないことは放っておく
それができないからみんな苦労していると思うのですが.
中にはなるほどな〜と思うこともあります.が,ほとんどのことが他の本で言っていたことの焼き直しにすぎません.こういう本が多いこと事実こそが今の世を反映しているのかな...