いわしはだいだい昼寝をしている

まとまりもとりとめもない脳内爆発日記

あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか:レビュー

最近東大ってすごく神格化されている気がする.
毎年3000人くらい東大卒は増え続けているのに.

興味があるなら読んで損はないと思うが,真新しいことはあまりない.至極まっとうなことを述べている本.ビジネス書をたくさん読む人は,この本を読んでもあまり期待する効果がないと思う.一方で,本書は小手先だけのフレームワークを提供する本(MBA系の本に多い)とは異なり,whyの部分とhowの部分を丁寧に解説していて,とてもわかりやすい.筆者の知的態度が読み取れる.

あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか

あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか

 

 

 

いいところ


・目次に情報が詰まっている
博報堂とBCG出身なだけに目次の書き方がうまい.興味を引くような構成になっている.その一方で目次がまとまりすぎていて,その先を読む必要がないんじゃないかと思う(「パワーポイントを開く前にワードを開け」という目次を読んだら感のいい人なら,先に骨組みを作れということね,とわかるはず)

・「公式に当てはめるだけでは考えたとは言わない」などいいことを言っている.
当たり前だろ!と思う方もいるかもしれないが,こうしたことは僕たちは忘れがちで,こう言った基本だけど大切なことを思い出さしてくれる(公式に当てはめるだけのものは作業である)

・「天才ほど愚直に量をこなし,それが結果につながる」
筆者の博報堂時代の一流コピーライターの方々との働いた経験からきた直感であるが,本書はこう言った「言われればそうだけどやっていない」の宝庫である

・まずは「しまった」をなくそう,と読者を導いてくれている
つまり,発想の顕在化の失敗をできるだけなくそうと筆者は述べている

・実践できる(特に6章)
筆者流の発想方法(漏れはないがダブりはあるロジックツリー)を説明した後,この発想方法を用いて何かを考えた後に,直感でアイディアを出した時より個数が多ければ成功と言っている.つまり,成功を定義してくれているので,実際に使ってみて,筆者が言うようにアイディアの個数が増えているか(成功したかどうか)を確認できる.

・「日本はいま考えてはいけないよ.我々もいまは考えていないのだから」
これは本書をしっかり読んだなら意図がわかるビスマルクの言葉だ.僕らはこの時代をもうとっくに超えていて,いまは考えなければいけない時代である.

悪いところ


・本が物理的にスカスカのところがある
と,いうのも行間がかなり多め.特にはじめにの「食パン」のくだりはひどい

バカの壁
ちょっと前に流行った「バカの壁」の内容がキーになっているので,それを読んでいるor理解していないと少し混乱するかもしれない

筆者は「東大」っていう言葉をよく言えば読者に発破をかけるため,悪く言えば品のない嫌味のように,ただただ煽るために使っている.体質的に東大にアレルギーがある人は読まないほうがいいかもしれない.