「心を休ませるために今日できる5つのこと」の話
また本を読んだ.今回はライフハック的な内容なので,今回こそシェアすべではないだろうか(そうだ,シェアすべきだ).
僕はビジネス書とか自己啓発書を読むときはいつも目次を最初に読んでそのあと本を読み続けるか判断しているが,この本は目次だけ読んでも理解できない.なぜなら目次が抽象概念で止まっているからだ.実際,この本の目次は以下の通り.
- 脳の使い方を切り替える
- 原始的な恐怖をリセットする
- 思考のクセを見直す
- 体をリフレッシュする
- 心を活性化する
これをはじめに読んだとき,真っ先に思ったことが「それができたら苦労しないよ」である.では本の中の「これらをどう達成するか」についての箇所をまとめて紹介していこう.
脳の使い方を切り替える
ゾーンによる切り替え
- カレンダーに自分のゾーンを書き込み,「完全に集中」して仕事をする時間を決める.
- 全力投球して「完全に集中できる空間」を作る.
- 同僚や友人,家族にあなたの境界線を伝えて,どんな状況の時にどんな風に割り込んでいいのかを知らせる.
- 通知を消す
- 雑念を払う
脳の負担を減らす切り替え(カッコ内は僕の意見)
- 頻繁に脳の負担を減らす習慣をつける(これに関してはトートロジーで説明になっていない)
- To doリストを作る(To doリストは人によっては効率悪くするという研究がある)
- 常にノートを携帯し,アイディアを書きとめられるようにしておく
- スマホのカメラを使い,率先してメモなどを残す
- メモは思考の質を上げると理解する
決断の切り替え
- 重要な判断をするのは朝早く,かポジティブな感情が高まっている時
- 決断疲れに注意する
- 色々なものをルーティンにして,決断の総量を減らす
- 意思決定に責任感を持たせる
- チェックリストを活用する
運動による切り替え
- 脳の状態を最高にしておく必要のある日は必ず運動をする
- 運動しすぎない(ヘトヘトは禁物)
- 歩きながらのミーティングも吉
- デスクでできる運動を決めておく(ルーティン化)
原始的な恐怖をリセットする
ラベリングによるリセット
- 自制心を失いそうな時は,自分が感じていることを一枚の紙に書いてみる
- どのように振る舞うかは「自分」が決める
- ネガティブな感情に名前をつけたら,それをポジティブに言い換える
意識的なリラクセーションによるリセット
- 腹式呼吸をする
- ポシティブシンキングをする
感覚のリセット
- 色々な匂い(アロマなど)を用いる
- 前向きな気持ちになれる曲を聴く
- 「鐘」の音を聞く(?)
パワーポーズをする
- ボディーランゲージをする
- パワーポーズをする(これも論文で明確に否定されていた気がする)
思考のクセを見直す
ジョイキットによる見直し
- 喜びを感じるものをリストアップする
- それらを手元に置いておく
- デジタルのジョイキットを作る
- 調子が悪い時はそれを利用する
- よく知っている人のためにジョイキットを作ってプレゼントする
逆転発想法による見直し
- 限界や障害をメモする
- 協力を求める
- 逆転発想法を日課にする
- いつでもやりたくなったらこれを行う
3つのPから3つのCによる見直し
- 日中起こった良いことと悪いことを記録する
- 悪いことが起きる時間をパターンとして認識する
- 良いことは習慣化して生活の中に取り入れる
日々の見直し
- 毎朝,起きたら感謝していることを3つ書き出す
- 毎日寝る前に,何か良いことをしてくれた人3人にお礼をする
- 一人で出かけて自然の雄大さなどを楽しむ
- 瞑想をする
体をリフレッシュする
水分補給の科学
- お気に入りの水筒を手に入れる
- 水筒を車と机の上に置く(身近な場所にという意味だと思う)
- フルーツを食べる
- ハーブティーを飲む
- お腹が空いたらコップ一杯の水を飲む
- レストランでも水を頼む
- 毎回の食事後に水を1杯飲む
- アルコールやカフェイン飲料を飲む際は同量の水を飲む
- 1日で一番厄介な時間帯に1日で一番水を飲む
血糖バランスの科学
- できるだけ自分の家で食事する
- お弁当を作る
- 果物と野菜をたくさん食べる
- プロテインシェイクを飲む
- 自分の感覚に正直に従う
- 情報にアクセスする
- 必要ならサポートを受ける
心を活性化する
価値観を探って心を活性化する
- 自分の価値観や人生観を理解する
- それの達成を妨げるライフスタイルを緩やかに変えていく
人生目標による活性化
- 理想の人生(やりたいことやなりたいもの)のリストを15〜20個作る
- リストの中から1番大切なものを決める
- それを上位5つまで行う
キャッチフレーズによる活性化
- 過去にうまくやったことなどを思い出す
- そこからキャッチフレーズをつける
- その中から,あなたにとって意味のある言葉を選ぶ
- そして1つのキャッチフレーズ(最上位概念)を見つける
スケジュールによる活性化
- 毎日のスケジュールを検討する
- そのスケジュールが自分の人生の目的にかなっているかを考える
- 目的に合わないものは徐々に削除する
- 翌週にはさらにうんざりしている活動をしないようにする
- これを繰り返す
- 空いた時間に,自分の目的のための時間を追加する
感想
内容は大脳生理学や社会学なんかの成果がふんだんに織り込まれていて,科学的な本.参考文献も充実していて,自分でさらに理解を深めるのにももってこい.エビデンスに基づいたライフハックをしたい人にはもってこいの良書.軽い気持ちで,従来の自己啓発的な内容を期待している人にとっては,本書は分量が割とあるので,つまづくだろう.